こんにちは、かりんです。幼児・小学生英語クラスの子供たちの声がけについて、今日は参考になる本を紹介しますね。
子どもや保護者さまへの声がけ1つで、対応しやすくなるケースを身をもって体験している今日この頃。
なんで、この子は先生の言うことを聞いてくれないんだろう?
とお悩みの先生やお母さまの『解決のヒント』になれば良いな...と願いを込めてまとめます。
この記事をオススメしたい人は
- 幼児・低学年のしつけに、てんてこ舞い(*´Д`)
- 叱らない子育てに興味がある人
- 今大注目の将棋士 藤井四段をつくったモンテッソーリ教育に興味深々。
それでは具体的に見ていきましょう。
1.藤井四段をつくった『モンテッソーリ教育』関連本を読んでみた
モンテッソーリ教育って何?
1870年イタリアで生まれたマリア・モンテッソーリが確立した教育方法です。
本書引用
マリアは以下の発見をしました。
子どもの世界には、大人と違った感覚、学びがある。子どもは大人とは全く違う世界で生きている。それを発見して教育に生かすようになった。
すべての子どもは、自らを伸ばす力(自己教育力)を持っている。それは大人が教え込む教育ではなく、子どもらは自ら、今伸ばしたい能力を知っている。
その能力を伸ばすために、大人からみると『なんで?』と思うような行動を取ったり、同じことを何度も繰り返したりする。
子どもは、何度も失敗し試行錯誤を繰り返しながら『出来ること』を増やしていく。大人は、子どもの能力を信じ、見守っていくこと。大人は環境を整えてサポート役に徹する。
具体的には、日本のモンテッソーリ園では....お仕事(作業)の時間があります。
モンテッソーリ教育を行っている園では、どんな作業(お仕事)を子供たちが行い、その結果どのような成長が期待できるのかを具体的にみていきましょう。
〇指先を使う遊びで器用な子どもをつくる
- 2歳児が、3本指のお仕事をしたり(ピッチャーでコップに色水を移すなど)
- 3歳児が、小さな木のボールの穴にひもを通すお仕事をしたり
- 3歳児が、針で刺繍をするお仕事をしたり
- 赤ちゃんが、指先を使う作業を夢中で行ったり
〇『選択』することで、判断力、自主性が育つ
- 5か月の赤ちゃんが、複数のおもちゃから気に入ったものを選ぶ
- 3歳児が、ドライバーを器用に扱う
- おもちゃの片づけを練習する
〇ヤル気にさせる環境でグングン伸びる子に
- 赤ちゃんが、鏡で自分の姿を確認しながら、つかまり立ちの練習
- トイレスペースに、小さな椅子を置いて自分ひとりでおトイレができるように
〇宇宙や地球。世界の文化に触れる
- 外国人の先生との交流で言語が自然と耳に入る
- 地球儀など、子どもが興味を持ったものをすぐに調べられるように用意しておく
- 3歳児が、日本地図パズル1人で学ぶ
- ぬりえで【地形、大陸、国、国旗】で違いを学ぶ
日本よりも欧米の方が、モンテッソーリ教育が盛んで、成功事例が沢山あるのでしょう。教育面では、まだ日本は欧米の後を追いていく感が拭えませんね。
『モンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』から、子ども英語レッスンに役立つ情報をまとめてみた。
1.子どもを観察してみよう!~子どもの『興味中心』を見つける
例えば、『電車好き』をどう伸ばすか?
子どもが興味を伸ばす、大人の声掛けは?
- 路線図をもらっておいで
- (路線図をみながら)〇〇君のおうちは?園(学校)はどこの駅?
- 出かけた場所に印や、その場所の写真を貼ってみようか
- 〇〇へ行くにはどうやって行くのかな?乗り換え方法は?
など、電車好きから、興味の対象を【駅、地図、そこで働く人】までどんどん広がっていきます。
英語も同じですね。動物が好きなら動物の単語や、その動物が住んでいる国の興味につながれば良いし。食べ物が好きなら、果物や野菜を色とセットで覚えたり、買い物のやり取りも英語で喜んで発話してくれるでしょう。
答え:子どもの興味の中心さえ見つけることができれば、このような知的好奇心を育むことができる良い事例ですね。
2.自由に選択させる~選択肢を与えて判断力を育む~
子どもに選ばせてみよう!
小さいうちは二択。大きくなるにつれて、選択肢の数を増やしていきます。選択肢が増えるにつれて、頭も使うことになる。
選択するという行動は、考える力にもつながります。何か困難にぶつかった時にも『どうすればいいのだろう』と考える力をつけよう。
子ども英語レッスンで家庭学習がきちんとできない子への声がけは?
- 〇〇ちゃんは、おうちでの英語の宿題をいつ勉強するのがやりやすい?
- 勉強ができそうな曜日を選んで、〇をしてみようか。
- テキストのどの役割をやってみたいかな?やりたい役を教室で上手に言えるように、おうちで練習してみようか。
など、自分が選択したものを自宅学習できると『やる気』につながるのでは?!
3子どもを待つ~待ち時間は「考える力」が伸びる時間と心得る
子どもを待ってみよう!
大人は特に子どもを待てずに『早くしなさい』が口癖になっている。大人にはのんびりに見えても、子どもは大人が思っている以上に考えているもの。
子どもは、自分で決めた順番や習慣が乱されることを嫌がるので、子どもが決めた秩序どおりに進めようとすると、どうしても時間がかかるようです。
子ども英語レッスンでも、幼児クラスは次の作業の移行がスムーズで早い子もいれば、いつまでたっても準備している子もいる。そんな時、つい『急いで、皆が待っているよ!』とコチラの都合を子どもに押し付けてしまう。
子どもに早く準備をしてもらいたい時の声がけは?
- 今日は急いでいるからね、と予め説明しておく
- お手伝いしてもいい?
- 先生が(準備を)やってもいいかな?
子どもに声がけして、子どもに判断を任せることで、結果的に早く進むケースが多いそうだ。
※子どもの気持ちを無視して、大人が勝手にお手伝いをするのはNG!信頼関係が崩れて、お手伝いもさせてくれなくなります。
しつけ本二冊を読んで、子ども英語に使える声掛けを抜粋してみた。
子ども英語講師は、ただ英語を子どもに教えているだけでは務まりません。
クラスコントロールや、子ども達が意欲的に学習できるような環境づくり、個々に適した声がけで『子供たちを励まし、英語好きにする』いわば、センセイであり、応援団長でもありたいもの。
しかしながら、子どもや保護者も多様化し、『しつけ』や『効果的な声がけ』も正解は1つではないのが難しいところ。子ども英語講師は、そんな中でなるべく多くの事例を頭に入れて、日々トライ&エラーで取り組んでいくことが、素晴らしい先生への近道なのかな~と実感しています。
ここではしつけ本、2冊から具体的な事例を紹介していきますね。
『頭のいい子に育つしつけの習慣』より
1.さっさとしなさい。』より『いつまでにしなさい。』の方が効く
本文より引用
幼稚園児ならともかく、小学校3~4年になっても出来ていないと、親として『さっさとしなさい!』と言いたくなる気持ちも分かります。
しかし、子どもは思い通りにいかないので、結局親が手を貸してしまう。親がいつも手伝うと、子どもは『お母さんはやってくれるから。』と思うので、繰り返される小言も慣れっこになって効き目はありません。
〇子どもがグズグズしてしまうのは、当たり前のこと
状況や時間、量に対する見通しが大人ほど的確にできないため。
〇時間を限ってやらせてみるといい
『締め切り効果』を利用しよう!『締め切り効果』とは、人間は時間が限られると、勉強や仕事への意欲が高まり、集中力が出るという心理的メカニズムが働くそうだ。子どもにも、試してみる価値あり!
- おやつ(夕飯)までに宿題をしよう。
〇できたら評価してあげることも大切
『よくできたね。』とできたことをほめてあげて、子どもに達成感を味わってもらう。それが動機付けになり、言われなくても宿題や片付けを始めるようになるはず☆
2.飽きっぽい子どもが、集中して長続きするには?
本書では、長続きしない子どもには2つのタイプがあると述べている。
- 勉強を始めても5分で飽きてしまう”あきやすい”タイプ
- 三日坊主タイプ
まずは、お子さまがどちらのタイプかを見極めて、タイプ別の声がけをしてみましょう。
1.5分で飽きる”あきやすい”タイプへの効果的な声がけは?
このタイプには、少しずつ集中できる時間を伸ばすように励まそう♪
- 昨日は5分続いたから、今日は7分。明日は8分。と少しずつ時間を伸ばしていく方法
- 目覚ましやタイマーをセットして、『これが鳴るまでは頑張ろうね。』
- 例えやれなくても、『またあとでやってみようね。』『明日は頑張ろうね。』の声かけも忘れずに。
2.三日坊主タイプへの効果的な声がけは?
自分も長続きできるんだ!と自信を持たせることから始めると良い。
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- 何でもいいです。日常生活の中で、長続きしていることはありませんか?
- どんな小さなことでも、何か長続きしているものを見つけて、『やる気があれば、けっこう長続きするものがあるじゃない。』と励ます。
- 『できるかな?』と子どもが思ったら、まずは簡単なことからやってもらう。
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- 関連本も合わせて参考にどうぞ。
『フィンランド式 叱らない子育て』を読んで、褒めスタイルを学ぶ
3冊目のしつけ本は、『フィンランド式 叱らない子育て』です。
本書はタイトル通り、褒めながら子どもに言うことをきいてもらう、いわば『魔法のことば』本です。叱るのが好きでない先生や、お母さまにはピンとくるはず。実際に子ども達に声がけしたら、とっても素直に聞いてくれましたよ。
それでは、具体的にどんなことが書いてあるのか、児童英語講師に応用できる箇所をまとめてみました。
子どもをほめて伸ばしましょう
本書では、ケースバイケースでの褒めパターンが沢山学べます。
- お礼でほめてみよう(〇〇してくれて、ありがとう!素敵!)
- 噂でほめてみよう(子どもの前で、保護者に良かったことを報告する)
- ことばを使わずにほめてみよう(拍手、ジェスチャー、ハイタッチなど)
- 質問でほめてみよう(ぬりえが上手だね、どんな風にやったの?宿題をギリギリまでためずにできたね。簡単なことじゃないのに、どうやったの?)
- 努力をほめてみよう(今日はいつもよりも集中しようと頑張り続けたね。先生うれしいわ。)
2人以上の子どもがいる場で、1人をほめる時。全体をほめることで、嫉妬を防ごう。
複数人の中で、1人だけを褒めると、褒められなかった子どもが嫉妬する危険性もあります。
- いつもこのクラスで教えるのは大好きです。クラスの雰囲気が良いですね。
- 今日もみんなで仲良くレッスンできましたね。素晴らしいですね。
- 〇ちゃん、文字が早く読めるようになって凄いね!△ちゃんが良いお手本になってくれたんだね。
『叱らない子育て』から保護者対応を学ぶ
- 子どものしつけでは、先生と親、祖父母の意見を合わせる。大人が同じ方向を向いていれば、子どもは言うことを聞くようになる。
- 感謝を伝え、気持ちに寄り添う。保護者に日ごろの家庭学習や送迎の協力に感謝を伝えたり、子育ての苦労に共感し寄り添う姿勢を示す。
- 子どもに何か問題があった時は、問題点だけを取り上げて保護者に話すと相手を不愉快にしてしまう。会話の持っていきかたは、『問題点』ではなく、『対処法』に焦点を当てて話すと、保護者も協力しやすくなる。『〇〇するにはどうするべきか?』について、協力や意見を仰いでみる。
- 批判したい人にこそ、アドバイスを求める。悪い面や問題点を批判したり、上からの立場でアドバイスをしたくなりがちだが、それは火に油を注ぐようなもの!そんなときは『何かご提案はありますか?』とアドバイスを相手に求めることで、保護者との協力体制をつくることが大切。最初に意見を聞かれると、相手も今後はあなたの提案を受け入れようとする気持ちになるかも?!
3冊の教育本を読んでみて、あらためて『声がけ』や『ソーシャルスキル』の大切さを学びました。
子ども英語講師は、まさに対人間のお仕事。子どもから、施設の先生、保護者まであらゆる立場の方々と上手く接していかないと、スムーズに進まないお仕事です。
そして、教育って難しいですね。センセイの思い通りにはいかなくて当たり前。でも、実体験を積んで、教育本で知識を蓄えて日々楽しみながら、センセイ自身も子供たちと一緒に成長していければ、こんな愉しくてやりがいのある仕事はないと思います。
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